QRコード

当院のWEBサイトは
スマートフォンでのご利用を
推奨しています。

you benefit beautiful, skin without any pain

医療脱毛と痛みのメカニズム

2024.3.13

皆さん、こんにちは。恵比寿ブライトスキンクリニックの菅間です。

私は麻酔科医なのですが、麻酔科というとみなさんはどういうイメージをお持ちでしょうか。

世の中の多くの方はおそらく「手術の時に患者さんを寝かせる人」と思っているのではないでしょうか。

それも間違いではありませんが、他にも多くの仕事があります。そのうちの一つが痛みのコントロールです。手術が終わった後に、目が覚めて痛かったら嫌ですよね?というわけで痛みと戦い、研究してきた経験から、今回は脱毛と痛みについて語ってみようと思います。

 

黒いものに光は吸収されて熱を持つ

医療脱毛で痛みが生じるのはなぜでしょうか。

光は黒いものに吸収されて熱を持ちます。小学校のころに虫眼鏡で太陽光を集めて紙が燃える実験で学んだ方はそれです!

それと同じ原理で、照射されたレーザー光を吸収した毛根が一瞬で熱せられるため熱さ、それを超えて痛みを生じるのです。

熱いが沢山集まって痛いになる

痛みの神経はたくさんあってそこら中に顔を出しています。そこに刺激が加わるとそれは神経の中を一瞬で伝わっていきます。

毛の様に密集していることによって、熱くなりやすく、そしてまた、痛くもなりやすいのです。

VIOはなぜ痛い?

なぜVIOなど太い毛根はレーザーの照射の際により強く痛むのでしょうか?

これはおそらくこういう原理です。細い毛に比べて太い毛には、より太い毛根があります。太い毛根はそれだけ回りに接する面積も大きいので、熱せられた毛根がより多くの痛みの神経を通り、より強い痛みとして脳に伝わります。

ケガをした時に傷が大きいほうが痛いのも同じメカニズムで、広範囲で多くの痛みの信号が脳に伝わるからより痛く感じるのです。

痛みの個人差

 痛みというものは主観的な感覚であり、他人にはわかりません。そのため個人差が大きいと言われています。

(注射が痛い人と痛くない、むしろ好きな人がいるみたいな!)

また痛覚は他の感覚と違って「順応」しません。「順応」とは簡単に言えば「慣れる」という事です。例えば最も順応しやすい感覚は嗅覚です。強い匂いも嗅いでいるとだんだん慣れてきますよね?香水をつけすぎてしまう人がいるのもそういう理由です。

痛覚に順応がない理由は、痛覚は生命を守る危険性から遠ざけるための防御反応だからです。脳は「痛み」を「生命の危険を脅かすものへの不快感」と捉えるのです。

頭痛のお薬で脱毛の痛みは抑えられる?

そもそも、痛覚を抑えることはできるのでしょうか。

お伝えできるのは2つほどありますが、今回は皆さんが馴染みのある鎮痛薬や局所麻酔薬の方法をお伝えします。

よく皆さんが使用する様な(頭痛の時など)鎮痛薬ですが、これは脱毛の際には全く効きません。医療用の麻薬なら別ですがNSAIDS(ロキソニンなど普通の鎮痛薬)は炎症などで発生する発痛物質の発生を抑える事で痛みを抑えます。

脱毛の痛みは神経に直接作用する痛み(これは難しい言葉で侵害受容性疼痛といいます)なので、発痛物質はほとんど関係ないのですね。

 局所麻酔薬は痛み神経の伝達をブロックしますので、これは大変効果的です。当院では痛みの強い部分にはリドカインという局所麻酔薬を用いたテープを使っています。このテープは子供の注射時にも使用されるものなので、医療脱毛の際にも安全に皮膚に貼付できます。

 全身麻酔薬を使って医療脱毛はどうかという検討は何度もしましたが、やはりリスクや制約が多い事を考えて今のところはやってはおりません。

リスクとして挙げられるのは、施術後の帰り道に麻酔薬が体内に残っていてふらついて事故を起こすリスク、気道閉塞による呼吸困難に陥るリスク、麻酔中に誤嚥してしまうリスクなどがあります。

しかし麻酔科医として何かいい方法がないものか、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。

広告で見かける「脱毛短時間で終わります」のカラクリかも

恵比寿ブライトスキンクリニックでは痛みを最小限にするように努めています。ちなみに意図的に機械から出る力を弱くして照射すれば、当然痛みは少なくなります。照射する総エネルギー量も減りますので短時間で終わります。が、きちんとした効果が得られるようにメーカーのプロトコル通りの出力で施術しています。

高い施術料を払っていただく患者様に納得していただけるサービスを提供するのは当然の事ですし、医師として医療で嘘はつきたくありません。そのため、テープ麻酔を使用したり、看護師のスキルアップで痛みのコントロールをしています。

 

なんだか取り留めのない話になってしまいました。痛みの専門家としてまだまだ語れる事はあるのですがこれ以上はマニアックになってしまうので、次回以降に取っておこうと思います。今後とも恵比寿ブライトスキンクリニックをよろしくお願いいたします。

Recommendおすすめ記事

Keyword

この記事と同じキーワード

Category

この記事と同じカテゴリの記事

記事がありません。